実践!管理者道場:問題意識を共有化せよ!
1:日常起きている小さな問題
ある工場で生産管理板が分かり難かったのでタイ人管理者に「予定数量に達していたら黒色、未達成の場合は赤色で書くようにしなさい。そうすれば視覚的に異常とすぐに分かるから」と指示しておいたのです。ところがあるラインの管理板は未達成にも関わらず黒色で書き込まれていました。私が管理者に注意したところ、彼は現場のリーダーに「未達成のときは赤で書け!」と怒鳴ったのです。リーダーはすぐに赤色のマジックを持って来て数字を書き直しました。タイ人管理者は「今後は気を付けろ」とリーダーに注意して「これで改善しました」と報告したのです。これではただ怒鳴っただけで問題の解決になっていません。工場管理ではこのような単純な問題を見逃したり、放置しておくと必ず大きな問題につながるものです。このような単純なミスの場合には「問題意識の欠如」そして「問題意識の共有化」が大きく関係しているのです。
2:問題意識の欠如
1:赤色で記入する目で見る管理や数量管理の重要性を理解していなかった。
2:部下に対する指示がいい加減で部下が指示を理解できなかった。
3:部下に自分が出した指示が理解できたかを確認しなかった。
4:生産管理板が正しい色で書かれているか確認しなかった。
5:生産管理板が間違った色で書かれていたのを発見したが、大した問題と思わず何もしなかった。
6:生産管理板が間違った色で書かれていなかったのを発見して部下に注意したが、注意の仕方が義務的
なため部下が大した内容ではないと考えた。
3:問題意識の共有化
問題意識の共有化とは私たちが見て問題と感じる感覚を職場の多くの人たちが同じように持つことを言います。この問題意識の共有化がないと職場の人は次のような行動を取ることになります。
1:赤色で書くことが大事と思わなかったので、黒色でも良いと思って書いた。
2:赤マジックのインクが切れたのでマジックを捨ててしまった。
3:赤マジックの本数が足りず他の生産管理板と共用しているため、赤マジックが無くなってしまった。
4:誰かが別の理由で赤マジックを使う必要があり、持ち出したまま返さなかった。
4:問題意識を共有化させろ
職場で問題意識の共有化が出来ていれば、指示は必ず現場で遵守されます。例えば赤色のマジックのインクが無くなったら、黒で書くのではなく、すぐに総務に連絡して新しいマジックを貰うなどの対処が自主的に行えるのです。職場で問題意識を共有化するには、実際に現場で起きている問題を常に取り上げ、これをケーススタディとして部下を教育して行くのが最も有効です。読者の皆さんも部下に対して問題意識を高める指導を行っていると思いますが、ぜひ問題を共有化させる概念も持たせて、職場で実施する指導も行って頂きたいと思います。仮に工場に500人の従業員がいたとしたら500人に同じ問題意識を持たせるのが理想ですから、これは大変な努力が必要になります。しかし最初は1人、次は2人と少しづつ地道に続けることにより、徐々に問題意識が共有化されますから、ぜひ焦らず、諦めず問題意識の共有化に取り組んで頂ければと思います。
著者:UVCコンサルタント: 立川
剛
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