実践!管理者道場「管理手法の原点」とは
1:やる気の無いのは国民性?
「現地の社員はやる気が無くて困りますよ」これは日本人駐在員が良く口にする言葉です。私はタイ以外の国でも現地管理者、日本人駐在員向けの研修を行っていますが、シンガポールに行けば「シンガポール人はすぐに会社を辞めてしまいます。仕事に対する責任感がありません」上海では「中国の人はお金のことばかりで仕事への関心が薄くて困ります」香港ではわざわざデータを見せて「このデータの通り、香港人はアジアで一番企業への忠誠心が低いのです」と説明をしてくれる人までいる有様です。海外の日本人駐在員は現地管理者のやる気の無さを、その国の国民性に求めていることが良く分かります。
2:日本人駐在員自身はやる気があるのか
このように日本人駐在員の大半は、現地の社員のやる気がないことを、その国の国民性のためと信じている人が実に多いのです。しかし本当にそうなのでしょうか?私は日本人駐在員向けの研修では必ず次のように質問しています。「皆さんは現地の社員がやる気が無いと嘆いていますが、ご自身はいかがですか。あなた自身は毎日やる気が漲って仕事をされていますか?毎日100%のやる気を出して仕事をしている人は手を上げて下さい」この質問に対して手を上げた人は過去に一人もいません。日本人駐在員自身も実は100%のやる気を持っていないのです。これが現実なのです。
3:管理手法の原点とは
次に読者の皆さんに管理の原点をご紹介します。
1:「会社とはやる気の無い人とお互いに嫌いな人ばかり集まっている集団である」世界の管理手法の原点はこの言葉に要約されています。この言葉が管理の原点です。従って皆さんの会社の社員がやる気の無いのは自然の姿であり、当然の事なのです。しかしやる気のない状態が自然であっても、会社がやる気のない人の存在を認めてしまったら倒産してしまいます。そこで次の言葉が大事になるのです。
2:「管理者はやる気の無い部下に仕事をさせることはできない。しかしやる気の無い部下のやる気を引き出すことはできる」この言葉が非常に大事です。上に立つ立場である管理者は肝に銘じておくべき言葉です。やる気のない部下に「仕事をやれ」と命じてもやらないのです。皆さんも部下に「指示したのになぜやらないのだ!」と日々怒っている人も多いと思います。指示を実行しなかった部下はいろいろな言い訳を繰り返しますが、本当の理由は単純明快、やる気がないからやらなかったのです。従ってこの部下に仕事をやらせようと思ったら、まず最初にこの部下のやる気を引き出すことを考えて実行するのが先決です。管理者の役割とは「部下のやる気がないのは当然だ。だからどうすれば部下のやる気が上がるかを考えて実行しよう」と日々、部下のやる気を引き出すように努力することなのです。
4:部下のやる気を引き出せ!
この管理の原点が理解できていないと「タイ人はやる気がなくて使えない」で終わってしまいます。厳しい言い方になりますが、本当に使えないのはタイ人の部下ではなく、自分の部下のやる気を引き出せない管理者自身であること認めることが管理の原点になるのです。経営の神様と言われている船井総合研究所の船井幸雄氏は次のような名言を残しています。「駄目な部下など、どこにもいない。部下を使えない駄目な上司がいるだけだ」部下のやる気を引き出す手法は数多くありますから、これらを学習して実行することが大切です。
著者:UVCコンサルタント: 立川
剛
Copyright 1998 UNIVERSAL VIDEO COOPERATION CO.,LTD all rights reserved.