「実践!管理者心得」第98回目
挨拶は管理の特効薬
当社では日系企業のタイ人管理者向けセミナーを行っていますが、「チームワークの大切さを理解させて欲しい」「報連相を活性化させて欲しい」「5Sを徹底させたい」など数多くのご要望を頂いております。このようなご要望に対してはセミナーで必ず「挨拶運動」を取り入れるように指導を行っています。
「挨拶をすればチームワークが良くなったり、報連相が改善されたり、5Sが良くなるのか?」と不思議に思われるかもしれませんが、挨拶はこれらの症状に対する特効薬になるのです。挨拶とは「知らない人との人間関係を作る」と考えている人がいますが、むしろ挨拶は仲間との連帯意識を確認したり、仲間との関係を改善する効果があるのです。
例えば山登りで知らない人とすれ違う時に「おはようございます」と挨拶をすることが良くあります。この時は相手も気軽に「おはようございます」と挨拶を返してくれます。皇居の周りをジョギングしている人に対して、自分もジョギングをしながら「おはようございます」と挨拶を行ったところ、ほぼ100%の人が挨拶を返してくれたとの調査結果もあります。これは一緒に山を上ったり、ジョギングをしているとの連帯意識があるからです。もし私たちが通勤途中で全然知らない人に挨拶をしたら、いったい何%の人が挨拶を返してくれるでしょうか?ほとんどの人が挨拶を返さないでしょうし、中には不思議がる人もいるかもしれません。
職場での挨拶を定着させることにより連帯意識を高めることができます。この連帯意識の向上によりチームワークも徐々に改善されて行くのです。また挨拶には「お互いの意思疎通、コミュニケーションの改善」の効果もあります。例えば上司が部下を厳しく注意するとお互いに嫌な気分を引きずりがちですが、上司の方から明るい声で「おはよう」と声を掛ければ、上司も部下も朝からさっと気持を切り替えることができます。このような意思疎通、コミュニケーションの改善のより職場に報連相を気軽に行える雰囲気ができあがってきます。また挨拶は5Sのしつけにも繋がることはお分かり頂けると思います。
海外の日系企業で挨拶運動の話しを行うと日本人管理者からは「当地では挨拶する習慣がないから会社で強制するのは押し付けになって反発されるのではないか?」と言われ、現地の管理者からは「我々は日本人と違い、会社で挨拶をする習慣がないのです」と言われます。
しかしこれは挨拶の言葉を声にハッキリと出す習慣がないのであって、彼らも人に会えば目で合図を送ったり、一声掛けるなど実質的な挨拶を行っているのです。挨拶運動は強制的に行っても成功しません。そのため私が現地の管理者を説得することになります。
当地の文化を十分尊重していることを説明したあとで、挨拶の効用について時間を掛けて説明すれば必ず納得してくれます。当社の指導先では社員同志の挨拶はもとより、お客様が工場を訪れると事務関係の人は全員立ち上がって会釈をしながら挨拶を行う会社もあります。
心のこもった挨拶は管理の特効薬ですから、ぜひ皆さんの会社でも導入して下さい。
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著者:UVC管理者セミナー講師 立川 剛
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