「実践!管理者心得」第93回目
やる気を引き出す5Sのテーマ選び
5Sを進めていくと多くの壁にぶつかります。5Sは全従業員が協力して永遠に続ける活動ですから、いかに従業員のやる気を引き出すかが最大のポイントとなります。
やる気を引き出す手法は数多くのありますが「テーマを自主的に決めさせる」こともやる気を引き出す手法の一つです。そのため日本人管理者は5S委員会や現場の担当者に「5Sのテーマを決めなさい」と指示することが多いのですが、出てきたテーマに真剣に取り組まないケースが多々見られます。
「自分たちで決めたテーマなのにどうして真剣に取り組まないのだ?」と不思議に思うのですが「テーマを自主的に決めさせる」との手法には「管理者と作業員の意思疎通がスムーズである」「管理者と作業員の品質意識が高い」「管理者と作業員の間に信頼関係が出来あがっている」との前提条件があるのです。この前提条件が無ければテーマを決めさせてもやる気は起きないのです。
ですから5Sを成功させるにはまず、社内の意思疎通の改善から入らなければいけません。当社の5Sセミナーでは必ずヒューマン・リレーションの手法から説明するのはこのためなのです。
しかし会社によってはヒューマン・リレーションの手法が分からず導入できないこともあると思います。その場合「このテーマなら真剣に取り組みたい」とやる気を引き出すテーマの決め方があります。それは次の条件を与えてテーマの選定を行わせるのです。
1:自分にとって大きな問題であり、何とかしたいと考えていること
「いつも不便を感じている」「面倒で仕方が無い」などテーマを選定する当人にとって「何とかしたい」と考えていることをテーマとするようにします。
2:問題が身近であり、しかも自分たちの力で解決できると思えること
他の課や部署の問題ではなく、自分が毎日直面している問題、そして自分が改善案を考えることのできるレベルの問題をテーマにします。
3:人を責めるテーマにしないこと
「あいつさえまじめにやれば問題無いのに!」「あいつが協力しないから駄目なのだ!」このように人を非難する発想を元にテーマを決めてしまうと、必ず不愉快に感じる人が出てしまい、結果的にやる気を失わせてしまいます。
5Sのテーマ選定ではタイ人管理者が「日本人がうるさいから、このテーマにしよう」などと「おりこうさんのテーマ」を決めてしまうと必ず失敗します。その程度のテーマならば「やらないより、やった方が良いだろう。だが仕事が忙しいから熱心に取り組む時間も無いしその必要もない」といい加減な取り組みになってしまうからです。
日本人管理者は現地の管理者が「本当に困っている。なんとしても直したい」と考えていることをテーマに選定させるように指導することがやる気を引き出すポイントとなるのです。
ホームへ戻る
著者:UVC管理者セミナー講師 立川 剛
Copyright 1999 UNIVERSAL VIDEO COOPERATION CO.,LTD all rights reserved.
このコラムのご意見、ご感想をお送り下さい。
uvc@loxinfo.co.th