「実践!管理者心得」第91回目

5S活動の怖さとは



当社では私が日系工場に行き5Sの指導を行っていますが、最近「5S活動は怖い」と強く感じていることが2つあります。

1:日本人管理者の大半が「5Sを本当に理解している」と過信している
確かに整理、整頓、清掃、清潔、しつけの言葉の意味は誰でも分かります。しかし言葉の意味を知っていることと5Sを理解して実践していることは全く違うのです。下記の整理についての質問に答えてみて下さい。

質問1:「整理の正確な定義」「整理の効果的な展開方法及び注意点」「整理の指導のポイント」「整理が会社に与えるメリット」「整理が従業員に与えるメリット」「整理を自主的に行わせるやる気の引き出し方」「整理を定着させる管理方法」などはご理解されているでしょうか。

質問2:その理解されている内容を言葉で現地の管理者に伝えているでしょうか。

質問3:現地の管理者に伝えた内容を正確に理解させているでしょうか。

質問4:現地の管理者に理解させた内容を実行させているでしょうか。 4つの質問の答えは皆さんの工場の5Sに正確に現れています。

2:日本人管理者に5Sを学ぶ意欲が無いことと学ぶための教材が少ない
私たちは管理者ですから管理で分からないことがあれば上司に聞いたり、本を読んだりして勉強するのが当たり前です。しかし5Sは「管理者ならば完全に理解している」との大前提があり、本人も理解しているつもりでいますから勉強の必要性を感じていません。

また仮に5Sを勉強したいと思っても、教材が極端に少ないのです。私たちは5Sの本など溢れるくらいにあるように感じていますが、試しに本屋に行って5Sの本を探してみて下さい。他の管理の本に比べて圧倒的に少ないことに驚くはずです。インターネットでも5Sの情報はほとんど手に入れることは出来ません。

日本人管理者がこのような状況であるため、タイ人管理者に5Sをうまく指導することが出来ないケースが多いのです。例えばある工場では職場に要らないものが溢れているため日本人管理者が「職場を整理して要らないものは処分しろ」とタイ人管理者に指示を出しました。ところが一向に要らないものが処分されないのです。

当社が指導に入ったところ、要らないものの定義が不明確だったことが原因と分かりました。日本人管理者にとって要らないものでも職場の担当者にとっては全て要るものだったのです。そこで「1ヶ月に1度程度しか使わないものは職場の棚に保管する」など使用頻度に応じて保管場所の基準を作成し、その基準に従って整理を行わせたところ、たちまち職場から要らないものが一掃されたのです。このように5S活動は言葉の意味を理解しているだけでは役に立たないのです。5S活動は本当に奥が深く永遠に続く改善活動ですから、管理者は相応の勉強が必要なのです。





ホームへ戻る

著者:UVC管理者セミナー講師 立川
Copyright 1999 UNIVERSAL VIDEO COOPERATION CO.,LTD all rights reserved.

このコラムのご意見、ご感想をお送り下さい。
uvc@loxinfo.co.th