「実践!管理者心得」第84回目

消費者、企業の従業員の意識は変化する


先日、日本道路公団の方より「セミナーの教材を作成中であるが、実践!管理者心得の一部分を教材に引用させて頂けないだろうか」とのお問い合わせを頂きました。実践!管理者心得のバックナンバーは第一号より当社のホームページ(http://www.uvc.co.th)で公開しています。

ホームページをご覧になった方より「当社の社員教育の教材に引用したい」とのご連絡を頂くことが多々あります。ホームページに掲載している「実践!管理者心得」は商業用に使用しない限り、ご自由にお使い頂いて結構です。

さて、第83号でタイで生産した缶詰にヤモリが入っていた事件から日本の消費者の意識が変化したと書きましたがその後、日本では連日のように食品関係の問題が吹き出ています。

「トマトジュースからハエが出てきた」「せんべいから針金が出てきた」「ポテトチップからトカゲが出てきた」「キムチの中から芋虫が出てきた」「穀物の加工食品から異臭がする」「缶詰に工場製品のプラスチックの部品が出てきた」「おにぎりの中からハエが出てきた」「カップメンからヘアピンが出てきた」

これらの事件は中小企業だけではなく、一部上場の有名食品会社の製品も含まれているのが怖いところです。しかし、苦情は本当にこれだけなのでしょうか?新聞に掲載されるのは事件性がある品質不良ですから、新聞に掲載されない程度のもっと小さな品質不良の苦情は激増していると考えるのが自然です。

前回のコラムでは日本の消費者の意識は全く変わってしまったと指摘しましたが、これら一連の事件はまさにこの説を証明しています。この意識の変化は雪印事件が引き金となっていますが、もはや消費者は雪印事件以前の意識に戻ることはあり得ません。これからは髪の毛一本でも出てきたら、消費者はすぐに保健所に連絡する時代にがらりと変わってしまったのです。今は食品関係が大きく取り上げられていますが、今後は全ての工業製品に関して同様の苦情が寄せられる時代になってくるはずです。

私は管理者セミナーで現地の管理者に日本製品の品質の優秀性を説くことが多いのですが、このような事件が連日のように続くと説得力が無くなってきてしまいます。ジュースからハエが出て来たり、お菓子からトカゲが出てくるなどは品質で言えば最大の致命欠陥であり、人の健康に関わる重大ミスです。

これらのミスが連日のように起きる背景には最近、毎日のように報道される医療ミス、企業のリコール隠し、そして役所の不正など日本の組織の疲弊が背景にあることは間違いありません。私は「実践!管理者心得:第66回:日本的経営終焉の時か」で日本的経営の特色は企業が共同体であること、そして神奈川県警の不祥事がこの日本企業の共同体の崩壊、共同体が機能集団へ移行しており、時代が変化している象徴であると指摘しましたが、最近の一連の事件からも時代がその通りに動いていることが分かります。あと5年もしたら日本の消費者、企業で働く従業員の感覚は、現在の私たちから想像も出来ないほど変わってしまうことでしょう。




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著者:UVC管理者セミナー講師 立川 剛
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