「実践!管理者心得」第78回目

就業規則を読んでいますか


5月31日にバンコク日本人商工会議所の農水産食品部会のお招きで、商工会議所にて「品質管理の心構え」について1時間半ほど講演させて頂きました。私自身かなり熱が入ったため講演終了後に声がかれてしまいましたが、おかげさまで出席者の方々からメールやファックスで「現場ですぐに使えるノウハウが理解できて良かった」「実践的で役立った」とのご感想を頂きました。今回の講演の内容は下記の通りですが、工業団地の連絡協議会などで講演を聞いてみたいとのご要望がありましたらお気軽にご連絡下さい。

講演内容:「品質管理の心構え」
1 現地の従業員の現状
2 なぜISO9000シリーズを取得しても品質が改善され ないのか
3 品質を向上させるために行なう社内教育の簡単な手法
3.1:CS(顧客満足)の意識を向上させる手法
3.2:問題を問題として捉える力、そして問題を解決する発 想能力を向上させる手法


さて今回は「就業規則」の話しをします。このコラムをお読みの皆さんは自分の会社の就業規則を読んだことがあるでしょうか。「ことある毎に読んで、自分の行動が会社の規則に合っているか確かめている」と言う人はごく僅かだと思います。「2、3回読んだ記憶があるが、内容はほとんど覚えていない」「入社した時に貰ったはずだがどこかへ行ってしまった」と言う人が大半ではないでしょうか。

日本人の大半が「就業規則など精読する必要はない。規則に外れる行動は自分で分かるし万が一、会社とトラブルが発生しても会社との話し合いで解決すれば良い」と考えていると思います。しかし本来、就業規則は会社と社員の契約の内容であり、社員の全ての行動 はこの就業規則に従って行なうべきものであるはずです。日本では終身雇用制、年功序列、定期昇給が崩壊していると言われていますが、厳密に言えば過去を含めて日本の企業で終身雇用制、年功序列、定期昇給を保証している会社は無かったはずです。なぜなら就業規則に「会社はあなたを定年まで雇用することを保証します」「会社はあなたが年齢とともに必ず地位が上がるように保証します」「毎年給料を上げることを保証します」などとは一言も書かれていないはずだからです。せいぜい「会社に対して良いことを行なった場合に表彰する、金一封を渡す」などと書かれている程度です。

その逆に「懲戒」はたくさん明記されています。「譴責」「減給」「出勤停止」「降格」「解雇」は各項目毎に該当する具体例がずらりと並べてあるはずです。特に解雇は「合理化によるやむを得ない理由」を含め、懲戒解雇、即時解雇など、実に多くの該当例が並んでいます。

日本は高度成長期から会社と社員の関係は終身雇用制、年功序列、定期昇給などが暗黙の了解であり、美徳とされていましたが、バブル崩壊後10年以上に渡る不景気の中、この暗黙の了解は崩れ去りつつあります。そして本来の就業規則に沿った「契約」の関係に移り変わっているような気がします。皆さんも一度、じっくり就業規則をお読みになってみたらいかがでしょうか。





著者:UVC管理者セミナー講師 立川 剛
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