「実践!管理者心得」第74回目
非常時の対応の悪い会社
出荷した製品がお客様のラインで発見され、ラインストップとなりました。もちろん大クレームで自社の信用を失い、取り引きが中止になる可能性があります。このような場合は会社にとってまさに非常時なのですが、この非常時の対応でその会社の実力が分かります。この非常時の対応が悪い会社のパターンは大体決まっており、次の3項目の対応が下手なのです。
1問題の潰しかたがまずい
「なぜ不良が発生したのか」「なぜ不良が流出したのか」の追求が甘いケースが多いのです。特に慢性的な不良になっていると「どうせ直らない」と不良の発生原因の追求、対策を諦め、不良の流出のみに力を注ぐことになります。このような会社の幹部は製造には「どんどん数量を作れ」と指示しながらQCには「工程での検査をより一層厳しくして、不良を取り除け」との指示を出して何の矛盾も感じません。
困るのは現場の人々で、製造は「数量を出せと言われているのにQCが製品を止めてしまう」とQCに対して怒りを感じ、QCは「製造が品質に注意を払わず作るから不良が出るのだ」と製造に対して不満を感じます。ものが流れている間は良いのですが、QCでストップとなり、選別、抜き取りなどでものが滞留して倉庫まで流れず、予定数量が出なくなってくると製造とQCの対立が激化して現場でのチームワークが乱れてしまいます。
2 応急対策で満足している
不良対策には直ぐに出来る応急対策と、時間が掛かる恒久対策の2種類があります。応急対策はその場しのぎの対策になることが多く、応急対策で時間を稼ぎ、その間に恒久対策を行なって歯止めを掛けるのが本筋です。ところが応急対策と恒久対策を混同してしまい
「対策とは直ぐに実行できるものだけである」と応急対策のみで解決しようとすることが多いのです。またひどい会社になると問題解決を行なわず、お客様への代替え品の生産や不良対策書を作ることに全力を注ぐことが不良対策だと勘違いしている会社もあるのです。
3 恒久対策が甘い
「不良の発生の原因は作業員のミスです。ですから対策として作業員に気を付けて作業を行なうように教育します」一見立派に聞こえるこのような対策が実は一番危ないのです。私は社員教育のコンサルタントとして日系企業を指導していますが、私の指導先の企業で管理者がこのような対策を出しても私は絶対に認めません。なぜなら、朝礼で「昨日、大クレームがあったから、全員気を付けて作業を行なうように」の一言で「教育」が終わってしまうからです。「気を付けろ」と言うのは教育ではないです。「どうして気を付けなければいけないのか、そしてどのように気を付ければ良いのか、その具体的な意識と行動」を教え込むための詳細な社員教育プログラムを立案させ、管理者のフォローアップ体制もまとめて、初めて「教育」と呼べるはずなのです。
市場の品質の欲求が高まる中、この3項目には特に十分注意して欲しいと思います。
著者:UVC管理者セミナー講師 立川 剛
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