「実践!管理者心得」第30回目
日常的に起きている品質問題とは
@ 品質保証書に記入した測定値が規格値を外れていたにも関わらず担当者がサインをしてお客様に提出した。
A 検査成績書のエックスバーの小数点が間違っており、一桁違っていた。
B ヒストグラムは作れるが、そこからどのような問題を引き出すかの分析ができない。
C 管理図で管理限界線の外れがでても不思議に思わず、報告しないで外れたデータをそ
のまま記入してしまう。
D 管理図を見てその傾向より「異常なし」「異常がおこりつつある」などの判断ができない。単に管理図を書けばそれで仕事は終わったと理解している。
E 散布図を見ても2つのデータの相関関係が読み取れない。
F 数値がおかしいので調べたところ、測定前にノギスのゼロ設定を行っていなかった。
G 出荷に追われているとの理由でQA担当者は品質保証書の数値を確認せず、ノーチェックでサインだけして出していた。
H 客先より重大クレームが発生、調べたところ区分けして保管していた不良品を担当者が間違って出荷してしまったことが判明した。
I QCで作業標準書と違うやり方で測定を行っていた。注意を行うと「前の担当者が口
頭で指示した」「昔からこうやっている」など誰も理由が分からないまま勝手に進めていたことが分かり唖然とした。
J ラインで品種混入が発生し、その該当ロットは2週間前に出荷されていた、と手後れになってから報告が上がってきた。
K クレームが発生したため、対策書を書かせたが出来上がった内容がお粗末でとても客先に出せないため慌てて自分で書き直した。
L クレームが発生したため「対策会議」を行ったところデータをもとに発言する者がおらず、単に「生産数量がきつい」「納期に余裕が無い」「自分の課には責任が無い」「他の課が悪い」などの感情論に終始してしまった。結論としては「会社のシステムが悪い」と誰も責任を取らず意味の無い会議となった。
M「客先から重大クレームが入りました。どうすればよいのですか」と自分で何も考えず、いきなりこちらに全部任せようとしてきた。
N クレームの処理のために客先にQAの担当者と一緒に出かけた。データと理詰めで説明する先方の受入担当者を見て、自社のQA担当者の知識の無さに改めて気付かされた。
O クレームの対策会議が終了した。会議室から出て行く部下が「やれやれ、終わった」との顔をしていたり、同僚と冗談を言いヘラヘラ笑っている姿を見ると「品質は本当に大切なことであることを彼らは肌で理解しているのだろうか」と疑問が湧いてしまう。
これらは私たちの会社で日常的に起こっている品質関係のトラブルの一例です。私自身もタイの日系工場で品質管理、品質保証を担当していましたから胃が痛くなるような数多くのトラブルを体験しています。日本では考えにくいこれらのトラブルが、なぜここでは日常的に発生してしまうのでしょうか。これらを解明して行くには「日本での品質管理の歴史の流れ」から見て行く必要があります。次回からはこの「品質管理」をテーマにして行く予定です。
著者:UVC管理者セミナー講師 立川 剛
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